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アレルギー鼻炎
鼻アレルギーの分類
通年性アレルギー性鼻炎
 抗原(アレルギーの原因物質)が1年中ありますから 症状も1年中あります。
  ダニハウスダストが主
  ネコ、イヌ、ハムスター、ウサギ等のペットの毛・フケ
  カビのアルテルナリア、アスペルギルス、カンジダ
  ガ、ゴキブリなどの昆虫

季節性アレルギー性鼻炎 (花粉症)
  1〜5月   スギ
  3〜5月   ヒノキ
  4〜12月  カモガヤを中心としたイネ科植物 
  8〜11月  ブタクサやヨモギ等のキク科植物
花粉などの抗原が鼻に入ると、体中に抗体(IgE抗体)がつくられます。
これが鼻の粘膜の肥満細胞(アレルギーを起こす細胞)に、着いて感作が成立します。
感作されるかされないかは、体質によって決まります。スギやダニでは約50%の人が感作されています。感作された人の約50%の人に症状が発現し、それを発症といいます。
どのような人が発症するかについては、患者さんの内的因子(遺伝的素因)や外的因子(大気汚染や花粉飛散量など)が考えられますが、はっきりと証明されたものは現在のところありません。

検査
病気がアレルギーによって起きている証拠をつかみます。
鼻みずの中の好酸球を証明する (最も一般的で大切な検査です)。
○血液検査で総IgE値、血中好酸球値、特異的IgE(原因となる抗原に対する抗体)の検査をする。
○その他(当院では行っていません。)
  鼻鏡検査 鼻粘膜誘発テスト
  皮膚反応 皮内テスト プリックテスト スクラッチテスト

診断
鼻汁中に好酸球が証明されて、症状と矛盾しない抗体
(花粉症では花粉飛散時期・症状発現時期と抗体の種類が一致する)が証明されれば、診断は確定します。

治療
@ 抗原の除去と回避
A 薬物療法
B 特異的免疫療法(減感作療法)
C 手術療法

薬物療法
中等症 (1日5〜10回以上のくしゃみ・鼻汁
くしゃみ・鼻漏型 鼻閉型または鼻閉を主とする充全型
第2世代ヒスタミン薬

鼻噴霧用ステロイド薬
第2世代ヒスタミン薬

鼻噴霧用ステロイド薬
重症・最重症 (1日11回以上のくしゃみ・鼻汁
くしゃみ・鼻漏型 鼻閉型または鼻閉を主とする充全型
鼻噴霧用ステロイド薬

第2世代ヒスタミン薬
鼻噴霧用ステロイド薬

抗ロイコトリエン薬

第2世代ヒスタミン薬

必要に応じて点鼻用血管収縮薬を
治療開始7〜10日間に限って用いる
鼻閉が特に強い症例では
経口ステロイド薬4〜7日間処方で
治療開始することがある。

※ステロイド

鼻噴霧用ステロイド薬はステロイドとしての副作用はほとんどありません。
経口ステロイド薬はステロイドとしての副作用 がありますので、
短期間(1週間以内)の使用にとどめます。

抗原の除去と回避
治療の第1歩!! 抗原が鼻に入る量を減らすこと。

室内ダニの除去
@ 室内の掃除には、排気循環式の掃除機を用いる。
  1回20秒/m2の時間をかけ、週に2回以上掃除する。
A 布製のソファー、カーペット、畳はできるだけやめる。
B ベッドのマット、布団、枕にダニを通さないカバーをかける。
C 部屋の湿度を50%、室温を20〜25℃に保つよう努力する。

スギ花粉の回避
@ 花粉情報に注意する。
A 飛散の多い時の外出を控える。
B 飛散の多い時は、窓・戸を閉めておく。
C 飛散の多い時は、外出時にマスク・メガネを着用する。
D 外出時、毛織物などのコートは避ける。
E 帰宅時、衣服や髪をよく払い入室する。   洗顔、うがいをし、鼻をかむ。
F 掃除を励行する。

ペット(とくにネコ)抗原の減量
@ できれば飼育をやめる。
A 屋外で飼い、寝室に入れない。
B ペットとペットの飼育環境を清潔に保つ。
C 床のカーペットをやめ、フローリングにする。
D 通気をよくし、掃除を励行する。

減感作療法
原因となっている抗原を、少しずつ量を増やしながら注射していく方法です。
ショックなどの副作用がごくまれにありますので、注意深く反応を観察しながら行います。
抗原に対する反応を弱めていく方法ですので、長い期間、2〜3年の治療が必要ですが、
治療の中で唯一、アレルギーを治してしまう可能性があり、約60%に有効と考えられています。

手術療法(ご希望の方は紹介します。)
鼻づまりの強い人に対して、鼻の粘膜(下鼻甲介)を切除して小さくするのが基本です。
最近ではレーザー手術など、血を出さずに外来でできる方法が普及してきました。